テックスの目 [こころのチキンスープ]
こころのチキンスープ11~動物たちの贈り物より抜粋。
エリック・シールはやせ細った子犬を見て、だいたい生後5週間くらいではないかと検討をつけた。
その小さな雑種の雌犬は昨夜のうちにシール家の門の前に捨てられていたのだ。
「聞かれる前に言っておくけど」
と彼は妻のジェフリーに言った。
「答えは絶対ノーだ!うちでは飼わないぞ。2匹目はいらない。それに、もしもう1匹飼うとしても、純粋種じゃなくちゃだめだ!」
夫の言うことなど聞こえなかったかのように、妻はやさしい声で聞いた。
「何ていう種類だと思う?」
エリックは頭を振った。
「そうだな・・・。この色や模様からすると、ジャーマンシェパードの血が入っているんじゃないかな。耳もちょっと折れているし」
「この子を追い払うなんてできないわ」
と、ジェフリーはすがるように言った。
「私、餌をやって体をきれいにしてあげる。それからもらい手を探しましょう。」
子犬は2人の間に立って、自分の運命が決まりつつあるのを感じ取っているようだった。
ためらいがちに尻尾を振って、2人の顔を交互に眺めた。
その艶のない毛並からはあばら骨が透けて見えていたが、眼は生き生きと輝いていることにエリックは気づいた。
ついに、彼は肩をすくめて言った。
「君がどうしてもって言うなら、勝手にすればいい。でも、はっきり言っておくが、おれはハインツ57(いろいろな材料が調合されたステーキソース)みたいな雑種はお断りだからね。」
門から家まで戻る間、子犬はジェフリーの腕の中で気持ち良さそうにくつろいでいた。
「それに」
とエリックが付け加えた。
「2~3日はテックスと同じ囲いに入れるのはよそう。テックスに病気でも移されたら困るから。それでなくても、テックスはいろいろ大変なんだ。」
6歳のテックスはシール家で子犬の時から飼われていたが、オーストラリア産の牧畜犬としては、珍しく気立てが良かった。
だから、犬小屋にはすでに黄色い猫が住み着いていたにもかかわらず、夫妻にハインツと名づけられた新しい子犬が来ると、彼はこの子犬のためにまたしても喜んで場所をあけた。
ハインツが現れる少し前に、シール負債はテックスの目が悪くなっていることに気づいたばかりだった。
白内障だが手術をすればよくなるかもしれないと、かかりつけの獣医は言った。
だが、専門医に連れて行くと、大学の獣医科研究室で検査を受けるよう勧められた。
その結果、テックスはすでに視力を失っていることがわかった。
たとえもっと早く病院に連れて行ったとしても、視力の低下を止めることも遅らせることも不可能だっただろうという。
そういえばこの2~3ヶ月、テックスの様子は確かに変だった。
門が開いているのに気づかなかったり、フェンスの金網に鼻面をぶつけたり・・・・・・。
家へ出入りするのに必ず砂利の小路を通っていたわけも納得できた。
砂利道からそれると、ふらつきながらもう一度そこまで戻るのも、目が見えなかったからなのだ。
夫妻がテックスの目のことで心を痛めているのをよそに、ハインツは丸々と太り、元気にはね回るようになった。
その濃茶と黒の毛皮は健康そのものにつやつやしてきた。
しだいに、彼のもう一方の親が大型犬であることもはっきりしてきた。
犬小屋に居候させてもらうのがきつくなってきたのだ。
ある週末、シール夫妻はその横に新しい犬小屋を作った。
やがて、ハインツがテックスを押したり引っ張ったりしていたのには、ちゃんとした理由があったことがわかってきた。
ただじゃれついているだけに見える動作には、ひとつひとつ意味があった。
ハインツは、テックスの「盲導犬」になっていたのである。
毎晩、犬小屋に引き上げる時間になると、ハインツはテックスの鼻先をそっと口にくわえて彼を犬小屋に導いた。
朝は、彼を起き上がらせ、小屋の外へ出した。
門のそばまで来ると、ハインツは肩を使ってテックスを先に通した。
囲いの中をフェンスに沿って走り回るときは、ハインツがテックスと金網のあいだに入った。
ジェフリーは語る。
「お天気のいい日に、テックスは車寄せのアスファルトの上で寝そべっているでしょう?車が入ってくると、ハインツがあの子を鼻で突付いて起こして、安全なところへ連れていくのよ」
「馬が走ってきたとき、ハインツがテックスを脇に押しているのも何回も見たわ。それに、最初はどうして2匹が並んで牧場を思い切り走れるのかわからなかったけど、この前、私が馬で出かけたとき、あの2匹がついてきたんでわかったの。ハインツが声を出していたのよ。---------あの子はテックスがぴったりくっついてこられるように、低い声でずっと誘導していたのね」
シール夫妻は畏敬の念を抱いた。
その若い犬は、誰からも教えられていないのに、どんな場面においても自分なりに工夫して相棒を守り導いていたのである。
ハインツはテックスに、自分の目だけではなく、その心も分け与えていたのだ。
------------------------------------------
どの子(ペットとしての動物)も自分で家族を選んでやってくると言います。
この子も、きっと自分の役目をわかっていてこのおうちに来たのでしょう。
我が家のきらり(猫)も役目があります。
こんな我が家でもいろいろと悩みがあったのですが、きらりが来てくれてからまるで生活が変わってしまいました。
そして、大きな大きな悩み事だったにも関わらず、その悩みは消えてしまいました。
心配事が心配事ではなくなっちゃったんです。
彼のおかげで、今とっても幸せです。
すべてきらりのおかげ・・・と言っても過言ではありません。
以前、プロのアニマルコミュニケーターTomoさんにきらりとお話してもらったのですが、そのときに保護されたことをこういう風に言っていたそうです。
「お母さんには僕が必要だった。僕もお母さんが必要だったんだ。」
まったくその通りでした。
きらりは我が家に数え切れないたくさんの幸せを運んできて持ってきてくれました。
ありがとう、ありがとう、私の可愛いきらり
これからもずっとずっと、一緒にいようね。
こちらで紹介したリンクから買っていただいた場合、私に少しばかり入金があるのですが、それらの入金がある程度たまったら、動物保護運動をしている団体に寄付する予定です。
一匹でも不幸な動物達を救うために・・・よろしくお願いいたします。
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また明日、あなたにとって素晴らしい一日が訪れますように・・・
エリック・シールはやせ細った子犬を見て、だいたい生後5週間くらいではないかと検討をつけた。
その小さな雑種の雌犬は昨夜のうちにシール家の門の前に捨てられていたのだ。
「聞かれる前に言っておくけど」
と彼は妻のジェフリーに言った。
「答えは絶対ノーだ!うちでは飼わないぞ。2匹目はいらない。それに、もしもう1匹飼うとしても、純粋種じゃなくちゃだめだ!」
夫の言うことなど聞こえなかったかのように、妻はやさしい声で聞いた。
「何ていう種類だと思う?」
エリックは頭を振った。
「そうだな・・・。この色や模様からすると、ジャーマンシェパードの血が入っているんじゃないかな。耳もちょっと折れているし」
「この子を追い払うなんてできないわ」
と、ジェフリーはすがるように言った。
「私、餌をやって体をきれいにしてあげる。それからもらい手を探しましょう。」
子犬は2人の間に立って、自分の運命が決まりつつあるのを感じ取っているようだった。
ためらいがちに尻尾を振って、2人の顔を交互に眺めた。
その艶のない毛並からはあばら骨が透けて見えていたが、眼は生き生きと輝いていることにエリックは気づいた。
ついに、彼は肩をすくめて言った。
「君がどうしてもって言うなら、勝手にすればいい。でも、はっきり言っておくが、おれはハインツ57(いろいろな材料が調合されたステーキソース)みたいな雑種はお断りだからね。」
門から家まで戻る間、子犬はジェフリーの腕の中で気持ち良さそうにくつろいでいた。
「それに」
とエリックが付け加えた。
「2~3日はテックスと同じ囲いに入れるのはよそう。テックスに病気でも移されたら困るから。それでなくても、テックスはいろいろ大変なんだ。」
6歳のテックスはシール家で子犬の時から飼われていたが、オーストラリア産の牧畜犬としては、珍しく気立てが良かった。
だから、犬小屋にはすでに黄色い猫が住み着いていたにもかかわらず、夫妻にハインツと名づけられた新しい子犬が来ると、彼はこの子犬のためにまたしても喜んで場所をあけた。
ハインツが現れる少し前に、シール負債はテックスの目が悪くなっていることに気づいたばかりだった。
白内障だが手術をすればよくなるかもしれないと、かかりつけの獣医は言った。
だが、専門医に連れて行くと、大学の獣医科研究室で検査を受けるよう勧められた。
その結果、テックスはすでに視力を失っていることがわかった。
たとえもっと早く病院に連れて行ったとしても、視力の低下を止めることも遅らせることも不可能だっただろうという。
そういえばこの2~3ヶ月、テックスの様子は確かに変だった。
門が開いているのに気づかなかったり、フェンスの金網に鼻面をぶつけたり・・・・・・。
家へ出入りするのに必ず砂利の小路を通っていたわけも納得できた。
砂利道からそれると、ふらつきながらもう一度そこまで戻るのも、目が見えなかったからなのだ。
夫妻がテックスの目のことで心を痛めているのをよそに、ハインツは丸々と太り、元気にはね回るようになった。
その濃茶と黒の毛皮は健康そのものにつやつやしてきた。
しだいに、彼のもう一方の親が大型犬であることもはっきりしてきた。
犬小屋に居候させてもらうのがきつくなってきたのだ。
ある週末、シール夫妻はその横に新しい犬小屋を作った。
やがて、ハインツがテックスを押したり引っ張ったりしていたのには、ちゃんとした理由があったことがわかってきた。
ただじゃれついているだけに見える動作には、ひとつひとつ意味があった。
ハインツは、テックスの「盲導犬」になっていたのである。
毎晩、犬小屋に引き上げる時間になると、ハインツはテックスの鼻先をそっと口にくわえて彼を犬小屋に導いた。
朝は、彼を起き上がらせ、小屋の外へ出した。
門のそばまで来ると、ハインツは肩を使ってテックスを先に通した。
囲いの中をフェンスに沿って走り回るときは、ハインツがテックスと金網のあいだに入った。
ジェフリーは語る。
「お天気のいい日に、テックスは車寄せのアスファルトの上で寝そべっているでしょう?車が入ってくると、ハインツがあの子を鼻で突付いて起こして、安全なところへ連れていくのよ」
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シール夫妻は畏敬の念を抱いた。
その若い犬は、誰からも教えられていないのに、どんな場面においても自分なりに工夫して相棒を守り導いていたのである。
ハインツはテックスに、自分の目だけではなく、その心も分け与えていたのだ。
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この子も、きっと自分の役目をわかっていてこのおうちに来たのでしょう。
我が家のきらり(猫)も役目があります。
こんな我が家でもいろいろと悩みがあったのですが、きらりが来てくれてからまるで生活が変わってしまいました。
そして、大きな大きな悩み事だったにも関わらず、その悩みは消えてしまいました。
心配事が心配事ではなくなっちゃったんです。
彼のおかげで、今とっても幸せです。
すべてきらりのおかげ・・・と言っても過言ではありません。
以前、プロのアニマルコミュニケーターTomoさんにきらりとお話してもらったのですが、そのときに保護されたことをこういう風に言っていたそうです。
「お母さんには僕が必要だった。僕もお母さんが必要だったんだ。」
まったくその通りでした。
きらりは我が家に数え切れないたくさんの幸せを運んできて持ってきてくれました。
ありがとう、ありがとう、私の可愛いきらり
これからもずっとずっと、一緒にいようね。
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タグ:こころのチキンスープ
感動してうるうるきました・・なんて賢いんでしょう。そしてやはりお役目があってシール家に来たのでしょうね。
きらりクンもゆみたかさんのところに来るべきしてやってきた王子様なんですねきらりクンとっても可愛いし、ホントに癒されるでしょうね。
私のとこのババ姫ワンコも私や家族助けるためにやってきてくれたそうです。私もこの子がいなかったら今の人生はないというくらい助けられました。
ホントにどれだけお礼言っても足りません。
うちの子ももう14歳ですが、ワンコご長寿世界一狙ってま~す(*^^)v
by きょう子 (2009-09-05 11:40)
ゆっくり時間をかけて読みますね。
じかんがなくてごめんなさい。
また、遊びにきます。tsuku.
by tsuku (2009-09-05 19:52)
☆ きょう子さま
これもまたいいお話でしょう~♪
みんな、自分で家族を選んで来てくれているんですよね。
わんにゃんをご家族にしている皆さんは、口を揃えて
言いますよね。
「この子のおかげで本当に楽しいし幸せです」と。
きょう子さんのおうちにもワンちゃんがいるんですね。
14歳ですか。
いつまでも仲良く・・・最後まで幸せに暮らしてくださいね。
☆ tsukuさま
いえいえ~。
無理なさらずにね。
のんびりマイペースでいきましょうね♪
by ゆみたか (2009-09-06 15:07)
私の猫嫌いを猫好きに変えた猫が我が家にいます。
正確に云うと黒豹かもしれません^^;Aアセアセ
そうそう、そのカナ・・・今日あたりが誕生日の訳です(w)
今年で9歳になりました(^^)。
by kontenten (2009-09-07 14:54)
☆ kontentenさま
えぇぇっ???
kontentenさんは、もともと猫嫌いだったんですか?
信じられない!!
でも、猫が嫌いな人ほど、猫を知ると虜になってますね(笑)
たぶん、自分を投影しているのかも!
カナちゃん9歳ですか、おめでとうございます♪
これからも健康に注意して、長生きしてくださいね。
by ゆみたか (2009-09-07 18:27)